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なぜ「老後婚」が注目されているのか

かつては「老後に再婚するなんて」と否定的な見方も多かった高齢者同士の再婚。
しかし、令和に入ってからはその見方が大きく変わりつつあります。
実際に、60歳以上の男女が再婚や事実婚を選ぶケースが年々増加し、“老後婚”という言葉が社会に定着し始めています。
「第二の人生をより良く生きたい」「老後を一人で過ごしたくない」といった気持ちから、パートナーを探すシニア世代は今や珍しくありません。
統計で見る高齢者の再婚率と事実婚の増加

厚生労働省の人口動態調査によると、60歳以上の再婚件数はこの10年間で右肩上がりに増加しています。
特に70代の男性の再婚率が高く、女性も60代以降での再婚が増加傾向にあります。
また、戸籍上の婚姻を避け、生活実態は夫婦同然の「事実婚」や「同居パートナー」という形を取るケースも増えており、柔軟なパートナーシップのあり方が広がっています。
老後婚の背景にある3つの要因

経済的メリット
老後婚には年金の共有、生活費の分担、家賃・光熱費の節約といった経済的な利点があります。
特に一人暮らしでは負担となる出費を抑えられる点が評価されています。
孤独の解消と精神的支え
配偶者に先立たれたり、長年独身を貫いてきた人にとって、老後の孤独は大きな不安材料です。
日常の会話や食事、ちょっとした外出などを共有できるパートナーがいることで、生活の質が大きく向上します。
医療・介護の相互支援
万が一の病気や介護が必要になった時、頼れる相手がいることは大きな安心材料です。
「配偶者だからこそできる医療判断」「入院時の付き添い」など、法的な立場も老後婚を後押ししています。
老後婚の選択肢:再婚か、事実婚か

再婚のメリット・デメリット
法的な配偶者となることで、医療現場での同意や相続の優先権を得られる一方、扶養義務や遺産分配の義務も生じます。
事実婚のメリット・デメリット
気軽に始めやすく、親族への説明も柔軟に対応できるという利点がありますが、法的な保護が弱く、医療や相続の場面で制約を受ける可能性があります。
どちらが適しているかは、ライフスタイルや家族構成、資産状況などを踏まえて慎重に判断する必要があります。
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相続・財産管理と老後婚の関係

老後婚において避けて通れないのが「相続」の問題です。再婚した場合、法律上は配偶者に相続権が発生します。
これにより、前妻・前夫との間にいる子どもたちとの間でトラブルが生じるケースも。
そのため、遺言書を作成する、遺産分割の話し合いを早めに行うなど、法的な備えが重要になります。
また、事実婚では原則として相続権が認められないため、遺言による明確な意思表示が特に求められます。
家族の理解を得るためのポイント

高齢者の再婚に対して、子どもや孫世代が反対するケースも少なくありません。
その多くは「財産が減るのでは」「介護を押しつけられるのでは」といった不安が根底にあります。
そうした誤解を解くには、以下のポイントが有効です
感情的な対立を避け、誠実に説明することが家族の理解を得る第一歩となります。
老後婚をする前に考えるべきこと

老後婚には自由とメリットがありますが、注意点も多くあります
- 健康状態の共有:病歴や通院状況は率直に話し合いましょう。
- 住まいの選択:お互いの生活スタイルを尊重できる形を探ることが大切です。
- 法的手続きの確認:再婚届や住所変更、年金手続きなどを漏れなく行う必要があります。
- 第三者の支援:行政書士やファイナンシャルプランナーに相談するのも一案です。
新たな人生を共に歩むパートナーシップのかたち

人生100年時代。
60歳や70歳を過ぎても、まだ20年、30年と続く「第二の人生」があります。
その人生を誰とどう歩むかは、自分自身で選べる時代になりました。
老後婚は、単なる制度の選択ではなく、「人生をどう豊かに生きたいか」という問いへの答えのひとつです。
愛情、信頼、安心感——
年齢を重ねたからこそ生まれる絆が、今、多くの人々にとっての希望になりつつあります。